- 子どもの身長が伸びないのはなぜ?
- 病気ではない低身長
- ホルモンの異常によるもの
- 生まれたときの状態が関係するもの
- 骨や染色体などの病気によるもの
- 栄養状態や慢性疾患によるもの
- 心理社会的要因によるもの
- 身長が伸びない原因を調べるために
- よくある質問
子どもの身長が
伸びないのはなぜ?

「以前より身長が伸びなくなった」「周りのお子さまとの差が大きくなってきた」など、お子さまの身長や背の伸び方が気になる保護者の方は少なくありません。子どもの身長が伸びない原因には、ご家族から受け継いだ体質や成長する時期の個人差だけでなく、ホルモンの異常、生まれたときの状態、さまざまな疾患などが関係している場合もあります。
見た目や現在の身長だけで原因を判断することは難しいため、これまでの成長記録を確認し、必要に応じて検査を行うことが大切です。
病気ではない低身長
身長が低いお子さまのすべてに、病気があるわけではありません。体質や成長する時期の違いによって、小柄に見えることもあります。
家族性低身長
ご両親やご家族が小柄な場合、その体質を受け継いで、お子さまも身長が低くなることがあります。
身長は低めでも、成長曲線に沿って一定のペースで伸びていることが多く、検査で明らかな異常が見つからない場合は、経過を確認していきます。
体質性成長遅延
同年代のお子さまより成長や思春期の始まりが遅く、身長が低く見えるタイプです。
幼少期から小柄でも、思春期を迎える時期が遅い分、ほかのお子さまより後まで身長が伸びることがあります。
ただし、家族性低身長や体質性成長遅延と思われる場合でも、ほかの病気が隠れていないかを確認することが重要です。
ホルモンの異常によるもの
子どもの身長の伸びには、成長ホルモンや甲状腺ホルモンなど、さまざまなホルモンが関係しています。特に男の子で11歳半ごろ、女の子で9歳半ごろまでの期間は、成長ホルモンが骨の成長を強く促しています。
成長ホルモン分泌不全性低身長症
脳の下垂体から分泌される成長ホルモンが不足し、骨の成長が進みにくくなる病気です。
出生時の身長は標準的であっても、成長するにつれて身長の伸びがゆるやかになり、徐々に周囲との差が目立つことがあります。診断には、成長ホルモン分泌刺激試験などの詳しい検査が必要です。
甲状腺機能低下症
甲状腺ホルモンは、体の代謝や成長に関わるホルモンです。甲状腺ホルモンが不足すると、身長の伸びが悪くなることがあります。
身長の伸びの低下に加えて、元気がない、便秘、寒がる、体重が増えるなどの症状がみられる場合もあります。
思春期が早く始まる
病気
思春期が早く始まると、一時的に身長が急速に伸びます。しかし、骨の成熟も早く進むため、身長の伸びが早い時期に止まり、最終的に小柄になることがあります。
生まれたときの状態が
関係するもの
SGA性低身長症
在胎週数に対して小さく生まれたお子さまをSGA児といいます。
多くのお子さまは幼児期までに身長が追いつきますが、一部のお子さまは十分に追いつかず、低身長が続くことがあります。この状態をSGA性低身長症といいます。
生まれたときの身長・体重や在胎週数は、低身長の原因を調べるうえで重要な情報となります。
骨や染色体などの
病気によるもの
骨や軟骨の病気
骨や軟骨の成長に関わる病気(軟骨無形成症、軟骨低形成症など)があると、身長が伸びにくくなることがあります。手足が短く見えるなど、体のバランスに特徴がみられる場合もありますが、外見だけでは分かりにくいこともあります。
染色体や遺伝子の変化による病気
ターナー症候群、プラダー・ウィリー症候群、ヌーナン症候群など、染色体や遺伝子の変化を伴う病気でも低身長がみられます。
低身長以外の特徴が目立たず、成長の遅れをきっかけに分かる場合もあります
栄養状態や慢性疾患によるもの
栄養不足
偏食や食事量の不足などによって十分な栄養を摂取できていないと、体重だけでなく身長の伸びにも影響することがあります。
一方で、単にたくさん食べれば身長が伸びるわけではありません。極端な食事制限や特定の栄養素への偏りを避け、バランスよく摂ることが大切です。
内臓などの慢性疾患
心臓、腎臓、肝臓、消化管などの慢性的な病気(慢性腎不全など)が、身長の伸びに影響する場合があります。
心理社会的要因によるもの
環境による強いストレスが続くと、成長ホルモンの分泌が抑えられ、身長の伸びに影響することがあります。安心できる生活環境や十分な睡眠、家族との関わりも、お子さまの成長にとって大切な要素です。
身長が伸びない原因を
調べるために
低身長の原因は一つとは限らず、複数の要因が関係していることもあります。医療機関では、次のような情報をもとに総合的に判断します。
- これまでの身長・体重の記録
- 出生時の身長・体重と在胎週数
- ご両親やご家族の身長
- 身長が伸びにくくなった時期
- 思春期の始まりや体の変化
- 食事や睡眠などの生活状況
- これまでにかかった病気や服用中のお薬
必要に応じて、血液検査や尿検査、骨年齢を確認するレントゲン検査などを行います。
よくある質問
食事や睡眠が原因で身長が伸びないことはありますか?
栄養不足や睡眠不足が成長に影響することはあります。ただし、生活習慣を整えるだけでは改善しない病気が隠れている場合もあるため、身長の伸びが悪い場合は原因を確認することが大切です。
両親が小柄なら、子どもの低身長も遺伝ですか?
体質を受け継いで小柄になることはありますが、ご両親が小柄であることだけで原因を決めることはできません。成長速度や成長曲線も含めて判断します。
牛乳やサプリメントを摂れば身長は伸びますか?
残念ながら、直接背を伸ばす効果が証明されたサプリメントはありません。成長には栄養、ホルモン、骨の状態、遺伝的な要因などが関係するため、日常生活では食事・睡眠・運動などすこやかに育つ環境を整えることが大切です。気になる場合は診察時にご相談ください。
体重は増えているのに、身長が伸びないのはなぜですか?
身長の伸びが低下していても、体重は増えることがあります。ホルモンの異常などが関係している場合もあるため、成長曲線を確認し、必要に応じて詳しく調べます。
