お子様のようすが変だなと思ったら…

低身長とは

「我が子の身長が同じ年のほかの子供と比べて小さいような気がする。」そんなとき、親として子供にしてあげられることは何でしょうか。

背が低いのは病気なの?

子供の成長は非常に速いものです。同じ学年でも、4月生まれの子供と早生まれの子供では標準値もかなり違います。 ですから、身長が本当に深刻なほど低いかどうかは同性、同年齢、同月齢の子供の統計的な標準値と比較しなければわかりません。 そこで、同性、同年齢、同月齢の子供の身長の統計で低い方から2パーセントぐらいが低身長にあたると定義されています。 低身長は統計的に定義されたものですので、体質的なものなど厳密には病気とはいえない場合も含まれます。 このうち成長ホルモン分泌不全性低身長症やターナー症候群など治療可能な病気の子供は低身長児全体の5%程度です。 残り95%の低身長児は体質的なもので治療法は現在のところ見つかっていません。

低身長の分類

低身長かどうかの確かめ方

成長の記録を成長曲線に描いてみてください。

(※ファイザー株式会社 大日本住友製薬 日本イーライリリー株式会社のサイトから成長曲線のグラフがダウンロードできます。クリックすると新しいウインドウが開きます。)

成長曲線の5本の曲線は標準的な成長を示しています。(5本以上ある成長曲線もあります。) お子様の成長曲線が5本の線の内側でこれらの曲線と平行なら心配ありません。(5本以上ある場合は+2SDと-2SDの線の内側です。) 低身長は、一番下(-2SD)の線より下の場合で、一度検診されることをお勧めします。 また、徐々に平行より下がってきている場合(成長ホルモン分泌不全の可能性)や、女児10歳以下、男児11歳以下で 平行より上に向かっている場合(思春期早発症の可能性)も要注意です。 (思春期早発症の急激な身長の伸びは一時的なもので、骨年齢が促進され骨の成長が早期に止まってしまうため 結果的に低身長になってしまいます。腫瘍やホルモン分泌異常などいろいろな原因があり 診察を受けることをお勧めします。)

 その他、出生時にSGA性低身長といわれたお子様で、3歳までに身長の追いつきがなく−2SD以下の状態の場合は、成長ホルモンによる低身長治療の対象になります。

 また、男の子で、9歳までに精巣(睾丸)が発育する。10歳までに陰毛が生える。11歳までに脇毛、ひげが生えたり声変わりがみられる。女の子で、7歳6ヶ月までに乳房がふくらみ始める。8歳までに脇毛、陰毛が生える。10歳6ヶ月までに生理が始まる。などの場合は、それまで低身長ではなかったとしても、思春期早発症が疑われますので、この場合も是非診察を受けてください。

低身長の症状と経過

成長時期

成長には成長時期があり、その時期に栄養やホルモンの分泌が少なく成長できないと 後から伸ばすことが難しい場合もあります。 3~4歳までの幼児期には「栄養」、それから思春期が始まるまでの前思春期には「成長ホルモン」 思春期には「性ホルモン」が重要な役割を果たします。SGA性低身長は、お母さんのお腹にいる時から低身長領域の成長しかできず、生後も3歳くらいまでに顕著な身長の追いつきがみられないもので、この場合はすぐに成長ホルモンによる低身長治療を開始します。それ以外の生後に身長の伸びが不順で低身長になってしまう場合は、成長ホルモンの分泌に異常があることが原因かどうか調べる必要があります。 ホルモン分泌に異常のない体質的な低身長児の場合、60%~70%が最終的には正常な身長になります。 思春期の始まりが遅れることで後から身長が追いつきますので成長ホルモンの投与は必要ありません。ただし、残りの30%~40%は 思春期が標準的な時期か少し早く来てしまい低身長のままになってしまいます。未熟児で 出生した人に多いようですが、これは、成長ホルモンによる治療ではなく、性ホルモンの分泌を抑える思春期早発症の治療が効果的な場合です。思春期早発症には男の子で9歳から11歳、女の子で7歳6ヶ月から10歳6ヶ月までくらいの時期に体に顕著な変化のサインがありますので気をつけてあげてください。その他にも低身長には甲状腺機能低下症など甲状腺ホルモンの投与が効果的な場合など様々なケースがあり、効果的な治療を行うために検査はとても重要です。

食事

多くの低身長児は幼児期にミルクの飲みが悪かったり、離乳食がうまく進まなかったり、少食だったり することが多いようです。低身長の子供はその後も少食の傾向が続く場合が多いので、ビタミンやカルシウムなどの バランスに気を配りながら成長に必要な肉、魚、大豆などタンパク質の割合の多い食事を心がけてください。

低身長の検査と治療法

ホルモン投与によって治療ができる病気

甲状腺機能低下症の場合は甲状腺ホルモンの投与を行います。その他の低身長児で治療が可能なのは 成長ホルモン分泌不全性低身長、ターナー症候群、軟骨無形成症、軟骨低形成症、慢性腎不全性低身長症、プラダー・ウィリー症候群 で成長ホルモンによる治療が認められています。

低身長治療が可能かどうかの検査

手首の骨のレントゲン撮影による骨年齢の判定、血液検査、場合によって負荷試験を行います。成長ホルモンの分泌の悪さが定められた基準を満たしていれば、成長ホルモンの投与による治療ができます。検査はすべて、当院内で行うことができます。

成長ホルモン投与による低身長治療の効果

成長ホルモン分泌不全性低身長の場合、治療の最初2〜3年は顕著に成長がみられますが、それをすぎると他の子供と同じような伸びを示すようになります。 ターナー症候群の場合、成人身長平均で無治療139cmに対し成長ホルモン治療で147cmという結果が出ています。 その他の病気では認可されたのが比較的最近のため、まだ成人身長の統計は出ていません。 低身長がひどくなる前に対処することが成人身長を出来る限り高い状態に持っていく鍵になりますので、 お子様の将来のためにも5%の治療の可能性は是非活かしてあげて欲しいと思います。

低身長についての情報サイト

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